いま個人的に大注目のVIGについて解説していきます。
米国の高配当ETFといえばSPYDが有名かつ人気が高いですよね。
しかし、僕は”連続増配ETF”であるVIGへの投資を検討したいと思っています。
※VIGは高配当ETFではありません。
理由としては、米国株のポートフォリオがQQQやAppleが中心で情報技術セクターへの偏りを感じたからです。
攻撃力(=期待リターン)は高くても、防御力(=株価下落の耐性)は低いなと感じたのでVIGに注目しました。
そこで、この記事では『VIGとはなにか?』をはじめとして以下のことを解説していきますよ!
現在、QQQやAppleなどに投資している人はぜひ読んでみてください。
この記事は投資初心者向けの基礎的な内容になっていますのでご了承ください。
VIGの概要
VIGは『バンガード・米国増配株式ETF』のことです。
人気の高いバンガード社のETFのひとつですね。
バンガード米国増配株式ETF(VIG)はNASDAQ米国ディビデント・アチーバーズ・セレクト指数に連動する投資成果を目指します。
これは後述しますので、まずはVIGの概要をみてみましょう。
(2020年9月1日現在)
VIGの概要
設定日:2006/4/21
組入銘柄数:212銘柄
経費率:0.060%
直近配当利回り:1.84%
5年トータルリターン:13.86%
VIGの特徴はなんといっても『大型株の中でも前年比増配の実績を持つ銘柄に重点を置いている』ことです。
つまり、高配当銘柄で構成されているというよりは”増配株”で構成されているETFといえますね!
次にVIGのコンセプトについてもう少し詳しくみていきましょう。
VIGのコンセプト
これについて詳しくみていきましょう。
VIGは高配当ETFではなく、『増配し続ける企業』に注目したETFです。
増配し続けているということは、安定して利益を出し続けることができているともいえますよね。
つまり、VIGは『比較的成熟した企業の中でも長期にわたって稼ぎ続けることができている銘柄を厳選したETF』ということができます。
ここでは参考程度に、構成比率上位10銘柄の”連続増配年数”を紹介します。
※投資の森のデータを参考に独自に作成
企業名 | ティッカー | 連続増配年数 |
Microsoft Corp. | MSFT | 17年 |
Walmart Inc. | WMT | 47年 |
Procter & Gamble Co. | PG | 63年 |
Johnson & Johnson | JNJ | 57年 |
Visa Inc. Class A | V | 11年 |
Home Depot Inc. | HD | 9年 |
UnitedHealth Group Inc. | UNH | 9年 |
Walt Disney Co. | DIS | 8年 |
Comcast Corp. Class A | CMCSA | 11年 |
PepsiCo Inc. | PEP | 47年 |
やはり連続増配企業で構成されているだけあって、上位10銘柄の連続増配年数はすごいですね…!
連続増配年数が10年以下の企業もあってよく分からない…
この部分については自分自身が勉強不足で分かりませんでした。すみません…。
VIGの価格推移
出典:Bloomberg
VIGの価格推移をみてみます。
2020年8月31日現在の価格は130.59ドルです。
2019年末と2020年のコロナショックで大きな下落がありますが、5年間全体でみてみると順調に右肩上がりで推移していますね。
仮に、2015年7月末に10,000ドルのVIGを購入していた場合、2020年7月末には16,971ドルまで増えていたことになりますよ。
出典:Bloomberg
S&P500との連動を目指したVOOと比較しても価格の推移に大きな差があるようには感じません。
VIGは連続増配企業で構成されていながらも、VOOと同等のリターンを狙える可能性があることが分かります。
VIGの構成銘柄
出典:バンガード社公式HP
VIGの主力銘柄は『マイクロソフト』です。
構成銘柄上位10社はどれも有名かつ成熟している企業だということも分かります。
ちなみに純資産額に占める上位10銘柄の割合は35.2%(2020年7月31日現在)なので、これら10社の割合がとても高くなっていますよ。
これら10社に続きマクドナルドやコストコなども組み入れられています。
逆に、多くの人が投資をしているであろうGoogle、Apple、Facebook、Amazonは入っていません。
これら”GAFA"は配当金がないもしくは少額なのでVIGに組みこまれないのは当然ですよね。
VIGのセクター比率
セクター別にみると『消費サービス』『資本財』『ヘルスケア』の上位3セクターがVIGの構成比率の半分以上を占めていることが分かります。
投資初心者向けにセクターごとの特徴を説明しますね。
上位3セクターの特徴
①消費サービスセクター
代表企業はウォルマート。
生活に密着しているので一般的にはディフェンシブなセクター。
②資本財セクター
代表企業はボーイングなど。
好況時には強いが景気の影響を受けやすいセクター。
③ヘルスケアセクター
代表企業はジョンソン・エンド・ジョンソン。
医療や医薬品が中心のセクターで高いリターンを誇るのが特徴。
一方で、米国市場において時価総額の大きいテクノロジーや金融のセクターの割合は低くなっています。
テクノロジーセクターを中心に投資をしている人には分散のためにVIGを選択するのもありかもしれませんね。
VIGの分配金推移
そこで、気になる分配金の推移もみてみましょう。
VIGの分配金は四半期ごとに支払われます。
権利落ち日は3月・6月・9月・12月に設定されていますね。
ここでは四半期をまとめて年間の分配金推移を比べてることにします。
分配金推移のグラフはバンガード社公式HPのデータを基に作成したものです。
※2020年は3月・6月権利確定分のみ
さすが”連続増配企業”で構成されているだけあって分配金も右肩上がりに増加していますね!
直近の配当利回りは1.84%と決して高くはありませんが、企業の増配が続いてこのまま分配金が増加していけば高配当ETFの仲間入りを果たす可能性もありますよ。
VIGの魅力【まとめ】
最後にVIGの魅力をまとめます。
魅力1:10年以上の連続増配企業で構成
VIGの魅力はなんといっても『10年以上の連続増配企業』で構成されていること!
驚異の連続増配年数を誇る企業が多く組みこまれています。
増配できるということは長年に渡り安定した利益を生み出すことができているということなので、今後の増配にも期待が持てます。
魅力2:経費率が低く今後も下がる可能性あり
VIGの経費率は0.060%でとても低い水準になっています。
さらに、VIGは経費率の引き下げをしてきた経緯があり、今後総資産額が増えるにつれて経費率がさらに下がる可能性もありますよ。
魅力3:分配金は綺麗な右肩上がり
2011年からの分配金推移のグラフでは右肩上がりで分配金が増えていることが分かりました。
もちろん連続増配銘柄で構成されているので、今後も分配金の増加に期待が持てます。
将来は”高配当ETF”の仲間入りを果たすかもしれませんね。
魅力4:S&P500に匹敵するリターンが期待できる
VIGは”連続増配企業”で構成されているものの、決してリターンが低いわけではありません。
あくまで過去のリターンなので参考にはなりませんが、S&P500に匹敵するリターンも期待できるかもしれませんよ!
魅力5:テクノロジーセクターの割合が低い
テクノロジーセクターに集中投資をしている人はきっと多いはず。
しかし、いつまで米国市場をハイテク銘柄が牽引していくのかは分からないのでテクノロジーセクターの割合が比較的低いVIGへの投資を検討してみてもいいかもしれませんよ!
本記事の内容
VIGは連続増配企業で構成されていて、リターンも期待できる極めて優秀なETFであることが分かりました。
経費率がさらに下がったり、分配金がもっと増えたりと将来さらに魅力的なETFになる可能性も秘めてます。
ぜひVIGへの投資を検討してみてください。
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